デザイナークロストーク
流行を取り入れつつ、どこか日本の伝統を感じさせるフタダの器。そのデザインを担当するデザイナーが、デザインに懸ける思いや仕事のやりがいについて語ります。



入社前にデザインの勉強はしていましたか?
男性D:デザインの専門学校を卒業し、前職でもデザインを担当していました。フタダには中途で入社しました。
女性D:私は大学では食品関係を学び、前職は全く違う分野の仕事をしていました。でも、在学中に受けたデザイン関連の授業でプロダクトデザインに興味を持ち、挑戦したくてフタダに入社を決めました。
デザイナーの仕事内容を教えてください
男性D:図案をデザインし、器に印刷して釉薬をかけ、焼成し、量産品のサンプルを作るところまでが主な仕事です。
女性D:お客様のオリジナル商品を作る場合は、まずお客様の要望をヒアリングするところから始まります。図案をゼロから起こすこともあれば、いただいたデザインデータを印刷用に版下を作成する場合もあります。器は立体物なので、平面データをそのまま使用できない時は、お客様のイメージを損なわないよう調整しています。

デザインの仕事のやりがい、大変なところを教えてください
男性D:窯から出た製品が自分のイメージ通りに仕上がっていると嬉しいですね。さらにその製品がたくさん売れるとやりがいを感じます。一方で、新しい柄を考えるのは難しいです。消費者の嗜好が多様化しているので、デザインの幅が広がった分、何が売れるかを見極めるのが大変です。また、器の形状や絵具、釉薬の種類が増えたため、お客様に複数の選択肢を提示することが必要で、準備には手間がかかります。
女性D:サンプルをお客様にお見せした際、「いいね」と言っていただけるとやりがいを感じます。ただ、私はまだ経験が浅いので、絵付けや施釉などの技術を習得中です。模様を器に描く筆遣い一つとっても先輩にはとても及びません。釉薬をかけた後、焼成した仕上がりが自分のイメージと違うこともあります。倉庫にある絵具や釉薬の場所を覚えるのも最初は大変でした。


デザインをする時に心がけていることはありますか?
男性D:時代に合ったデザインを意識しています。「今」お客様が求めているものを見極め、それを反映させることが大事です。また、フタダオリジナル製品では、伝統的な文様をベースにしながら、新しい要素を加えることを心がけています。
女性D:私も消費者のニーズや流行を意識するようにしています。ただ、それとは別に、日常の中で「美しい」と感じたものを商品化したいと思うこともあります。まだ勉強中ですが、そういった感覚も大事にしたいです。
男性D:昔は古典柄が主流でしたが、今は国内外で求められるデザインが変わっています。海外では日本風の和柄が好まれますが、国内では釉薬の質感や繊細な色づかいに注目が集まっています。最近では布地をイメージした「ヘリンボーン」柄も人気です。動物柄では「猫」が断トツで安定した人気ですね。ただし、昭和のように「この柄さえ入れれば売れる」という時代ではなくなっています。
女性D:流行をそのまま取り入れるのではなく、ヒントをさまざまなところから得て、新しい商品を作りたいと思っています。
最後にお二人のお気に入りの商品を紹介してください
男性D:自分が作ったものではないですが、レース柄が気に入っています。
女性D:私は和文様柄が好きです。

